「わが家は大きな地震が来ても大丈夫だろうか」と不安に感じたら、築年数や見た目だけで判断せず、まず耐震診断で建物の弱点を確認することが重要です。
耐震補強の効果は、地震の揺れをなくすことではありません。壁・柱・接合部・基礎などの弱い部分を補い、建物が大きく変形したり、倒壊したりする可能性を下げることが主な目的です。

横浜市金沢区を中心に、建築経験30年・施工約1,500件の二級建築士として戸建て住宅を見てきた有限会社エコスタイルが、耐震補強の効果と確認方法を解説します。
耐震補強をすると何が変わる?
戸建て住宅の耐震補強には、主に次の効果があります。
- 地震の横揺れに抵抗する力を高める
- 壁の配置バランスを整え、ねじれを抑える
- 柱が土台や梁から抜けるのを防ぐ
- 基礎から建物へ力を伝えやすくする
- 屋根を軽くして建物にかかる負担を減らす
- 腐朽やシロアリ被害のある構造部分を修復する
ただ壁を増やせばよいわけではありません。強い壁を一か所へ集中させると、建物がねじれる可能性があります。建物全体を診断し、1階と2階、東西・南北のバランスを考えて補強することが大切です。
耐震補強の効果は「上部構造評点」で確認する
木造住宅の耐震診断では、地震に対する強さを「上部構造評点」という数値で示します。
| 上部構造評点 | 判定 |
|---|---|
| 0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
| 0.7以上1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
| 1.0以上1.5未満 | 一応倒壊しない |
| 1.5以上 | 倒壊しない |
横浜市では、上部構造評点が1.0未満の場合に耐震改修を検討し、補助制度を利用する耐震改修では、工事後の評点を1.0以上にすることが条件です。横浜市「耐震改修のすすめ」
ただし、評点1.0以上は「あらゆる地震で無傷」を保証するものではありません。建物の損傷を完全に防ぐという意味ではなく、想定する地震動に対する倒壊の可能性を判定する目安です。
耐震補強の効果は、工事前と工事後の評点、補強位置を示した図面、施工中の写真、使用した金物や耐力壁の記録によって確認しましょう。
具体的な補強方法と期待できる効果
1.筋かい・耐力壁を増やす
構造用合板や筋かいなどを使用して、地震の横揺れに抵抗できる壁を増やします。
重要なのは壁の量だけでなく配置です。窓や出入口が多い面、広いリビング、1階に大きな開口部がある住宅は、壁の位置とバランスを確認します。
2.柱と土台・梁を金物で補強する
耐力壁が力を発揮すると、壁の両端にある柱には引き抜く力がかかります。柱頭・柱脚へ適切な接合金物を取り付け、柱が土台や梁から外れにくいよう補強します。
3.基礎を補強する
基礎に大きなひび割れがある場合や、鉄筋が入っていない基礎では、建物の状態に合わせて基礎補強を検討します。
耐力壁だけを強くしても、その力を受ける基礎が弱ければ、計画した性能を発揮できない可能性があります。
4.重い屋根を軽量化する
日本瓦などの重い屋根を軽い屋根材へ変更すると、地震時に建物へかかる力を軽減できます。
ただし、屋根を軽くするだけで耐震補強が完了するとは限りません。壁の量、接合部、基礎なども含めて判断します。
5.腐朽・シロアリ被害を補修する
浴室や洗面所付近の土台、雨漏りしている外壁、湿気の多い床下などに腐朽やシロアリ被害があると、耐震性能が低下します。
耐震診断では、図面上の壁だけでなく、実際の木材や基礎の状態も確認する必要があります。
1981年以降の住宅でも確認は必要?
1981年6月に新耐震基準が導入されましたが、「新耐震だから必ず大丈夫」とは限りません。
国土交通省は、熊本地震の被害を踏まえ、接合部や壁配置などの仕様が明確化された2000年より前の木造住宅について、リフォームの機会などに耐震性能を確認することを推奨しています。国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」
次の住宅は、一度専門家による確認をおすすめします。
- 2000年5月以前に建てられた
- 1階に広いリビングや大きな窓がある
- 重い瓦屋根が載っている
- 過去に間取り変更や増築をしている
- 基礎に目立つひび割れがある
- 雨漏りやシロアリ被害を受けたことがある
- 建築図面や構造資料が残っていない
耐震補強で対応できないこともある
耐震補強は建物の構造を強くする工事です。地盤の液状化、がけ崩れ、津波、家具の転倒など、すべての地震被害を防ぐものではありません。
横浜市金沢区では液状化マップも公開されています。建物の耐震性とあわせて、敷地周辺の地盤や避難経路も確認しておきましょう。横浜市金沢区・液状化マップ
横浜市の無料耐震診断と補助制度
横浜市では、2000年5月31日以前に着工された、2階建て以下の在来軸組構法の木造住宅などを対象に、無料耐震診断を実施しています。横浜市・木造住宅の無料耐震診断
2026年度の耐震改修補助は、一般世帯で上限115万円、非課税世帯で上限155万円です。実際の補助額は工事内容や補助対象額によって決まり、着工前の申請が必要です。横浜市木造住宅耐震改修補助事業
なお、横浜市の無料診断と、補強設計に必要な詳細診断は役割が異なります。補助制度を利用して耐震改修を行う場合は、建築士による診断と補強設計が別途必要です。
※制度内容や受付期間は変更される場合があります。申請前に横浜市の最新情報をご確認ください。
よくあるご質問
築30年以上ですが、すぐ耐震補強が必要ですか?
築年数だけでは判断できません。壁の量と配置、接合金物、基礎、屋根、劣化状況を調査し、耐震診断の結果から必要性を判断します。
一部分だけ補強しても効果はありますか?
弱点に合った補強であれば効果は期待できます。ただし、一部分だけを強くして建物のバランスが悪くならないよう、全体の診断と計算が必要です。
内装リフォームと同時にできますか?
可能です。壁紙や間取り変更、水回りのリフォームで壁や床を解体する機会に耐震補強を組み合わせると、仕上げ工事の重複を減らせる場合があります。
耐震補強の効果は、耐力壁や金物を増やすことだけではありません。建物の弱点を診断し、壁・接合部・基礎・屋根・劣化部分をバランスよく改善することで、倒壊の可能性を下げます。
有限会社エコスタイルでは、建築経験30年・施工約1,500件の二級建築士が、耐震診断から補強計画、工事まで一貫してご相談を承ります。
「建物が地震に対して大丈夫か知りたい」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
■施工事例紹介■【横浜市瀬谷区】築30年以上の日本瓦住宅は地震対策を。横浜市瀬谷区で実施したガルバリウム鋼板屋根への葺き替え耐震リフォーム施工工事

■施工事例紹介■【横浜市保土ヶ谷区】地震への備えは今から始める制震補強|制震テープで住まいへの揺れを軽減する戸建てリフォーム施工事例

■施工事例紹介■【横浜市戸塚区】築30年の戸建て住宅で耐震補強・制震テープ施工を実施|繰り返す地震に備える安心の耐震リフォーム施工事例


「自宅が地震に耐えられるか知りたい」「耐震補強が必要か分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
有限会社エコスタイルでは、建築経験30年・施工約1,500件の二級建築士が、建物の築年数、壁の配置、基礎、屋根、接合部、劣化状況を確認し、耐震診断から補強計画・工事まで一貫してご提案します。
横浜市の無料耐震診断や耐震改修補助制度についても、対象条件を確認しながらご案内します。
建築図面がお手元にある場合は、平面図や建築確認書類の写真をお送りください。
有限会社エコスタイル 公式ホームページはこちら!

